Chim↑Pom展:ハッピースプリング

2022年8月17日

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博物館や美術館へ行くことが趣味で,4月に本院に入社してから30余の展覧会へ足を運びました。

就中 感銘を受けたのが,5月まで森美術館で行われていた“Chim↑Pom展:ハッピースプリングで,日本犬という作品が印象的でした。

東日本大震災直後に被災地で放浪していた犬を撮影し,その写真を津波で流されて泥だらけになっていた額縁に収めた作品シリーズです。

家族の思い出や土地の記憶を収めていたであろう額縁に動物の姿が重ねられ,無人と化した街に取り残されつつも懸命に生きようとする命の存在に多くのことを考えさせられました。

東日本大震災を契機に,同行避難や獣医師との連携等,災害に備えた動物救護に関するマニュアル等の策定が進みました。

記憶に新しい熊本地震では,(環境省が20173月にまとめた報告によると)震災後に熊本県と熊本市が保護収容した「被災ペット」の数は,犬1,094頭,猫1,405頭にのぼり,このうち,元の飼い主が見つかり返還できた頭数は犬400頭,猫に至ってはたった11頭に過ぎず,今も県に保護されている犬猫がいるそうです。

迷子札やマイクロチップ(MC)等,所有者の特定が可能なものを装着していた犬が368頭,猫が13頭に過ぎなかったことも,こうした現状を招いているとみられています。

今年6月から犬猫等販売業者(ブリーダーやペットショップ等)で販売される犬や猫について,MC装着が義務化されました。

犬猫等販売業者以外の飼い主様は あくまで「努力義務」ですが,完全室内飼いということでMC装着を見送っていたワンちゃん·ネコちゃんも,上記のようなことや盗難を想定した上で再検討してみても良いかもしれません。

三村()