革新と創造のバザール
2024年10月25日
先日,第9回テーマパークEXPOへ行ってきました。これは,テーマパークやレジャー施設向けのアトラクション,機器,サービスを提供する企業が世界中から出展する,日本最大級の専門展示会です。この展示会は,リアルなコミュニケーションの場として,アトラクションに触れ,体感し,商材を手に取り選定し,決定権者に導入提案を行う,日本のテーマパーク業界唯一の展示会です。
本展の特徴は,テーマパークやレジャー施設産業に特化している点にあります。新しいアトラクションの導入,安全で効率的な運営,次世代の集客の目玉となるコンテンツの発表だけでなく,話題のテーマを多数取り揃えています。また,レジャー・商業施設の集客イベント演出・設営向け設備・サービス展『イベントJAPAN2024』や,アウトドアやグランピング専門展である『キャンプ&グランピングEXPO』など,日本のあらゆるレジャー・アウトドア産業を網羅した専門展示会も同時開催されており,レジャー産業並びに旅行産業のビジネスの相乗効果を最大限に拡大する試みがなされていました。
博物館・美術館・水族館などの展示に携わる子ども向けの遊びイベントを企画・運営する“ASONOBI”や,東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの大手花火ショーの開発・制作・プロデュース・花火の製造を行う“日本橋丸玉屋”など,私が応援している企業も多数出展しており,実際にその方々と対話し,最新の事業内容について意見を交わすなど,とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
未知の技術や想像を超えた斬新なアイデアに触れることは,まるで新たな世界の扉を開くような体験でした。
特に興味深かったのは,次世代型の業務用綿菓子製造機「Unicorn Feather(ユニコーンフェザー)」です。
この機械は全自動でカラフルかつユニークな形状の綿菓子を製造します。タッチパネルで色や形を選ぶだけで、機械が自動的に綿菓子を作り上げ、その製造過程も観覧できるため、待ち時間さえも楽しみの一部となります。約45種類の色と形の組み合わせが可能で、利益率の高いビジネスモデルです。定期的なザラメやスティックの補充のみで、簡単にメンテナンスが行える点も魅力的です。
特筆すべきは,株式会社飛洋港運がこのような革新的な機械を開発した点です。同社は通常,港湾運送業務を主な事業としていますが,全く異なる分野である綿菓子製造機の開発に成功したことは,企業の柔軟性と革新性を如実に示しています。このような異業種からの参入は,既存の市場に新風を吹き込み,競争力を高める要因となります。
展示会では,他にも多くの革新的な技術やサービスが紹介されていました。例えば,最新のVR(仮想現実)技術を駆使したアトラクションや,AI(人工知能)を活用したパーソナライズドエンターテイメントシステムなどが注目を集めていました。
また,テーマパーク業界の未来を見据えたセミナーやワークショップも開催されており,業界の専門家やリーダーたちが集まり,最新のトレンドや課題について議論を交わしていました。これらのセッションは,業界の発展に寄与するだけでなく,参加者同士のネットワーキングの場としても非常に有意義なものでした。
新たな技術とアイデアの融合が,どのようにして訪問者に驚きと喜びをもたらすのか,その可能性は無限大です。これからのテーマパークがどのように進化していくのか,その未来が非常に楽しみです。
三村(晃)